ヘラクレスオオカブトの幼虫のオスメス見分け方|いつわかる?腹部の印と体重の時期別判別
ヘラクレスオオカブトの幼虫飼育

ヘラクレスオオカブトの幼虫のオスメス見分け方|いつわかる?腹部の印と体重の時期別判別

ヘラクレスオオカブトの幼虫が大きくなってくると、「この子はオスなのかメスなのか」が気になってきますよね。ケースを分けたいのに、いつ見ればいいのか、どこを見ればいいのかがわからず、仰向けにしてみたものの結局よくわからなかったという方も多いのではないでしょうか。

実は、ヘラクレスの幼虫のオスメスは、3齢になってから腹部を見て、そこに体重を重ねると、かなり絞り込めます。なぜなら、オスの腹部には小さな印が現れ、3齢の中期を過ぎるとオスとメスで体重の差も開いてくるからです。

この記事では、いつからわかるのかを時期別に整理したうえで、腹部を見る手順、体重や頭の大きさの使い方、判別後のケース分けとペア作り、どこまで確実なのかをまとめました。この記事を読めば、次のマット交換の日に落ち着いて判別でき、迷った個体の扱いも決められるようになるでしょう。

この記事のまとめ
  • 判別は3齢の腹部で見る。お尻側から2〜3節目の中央に小さな窪み(点のような印)があればオス。見えないときは保留し、3齢中期以降に見直して、それでも印がなければメスと判断する
  • 体重は3齢中期以降の補助。60g超はオスの可能性が高く、メスは30〜50g前後が多い。50〜60gは腹部を優先する
  • 幼虫の判別に100%はない。確定するのは、オスは角が伸び、メスは丸い形になる蛹の段階

ヘラクレスオオカブトの幼虫のオスメスはいつわかる?

結論から言うと、オスメスを見分けられるようになるのは3齢からです。孵化から3齢(三令)になるまでは2〜3か月ほどなので、そこまでは性別を気にせず育ててしまって大丈夫です。時期ごとの成長の流れはヘラクレスオオカブトが成虫になるまで何年?の記事で詳しく紹介しています。

1齢・2齢は見分けるのが難しい

1齢と2齢はそれぞれ約1か月で過ぎていきます。この時期の幼虫は体が小さく、腹部を見ても見分けるのは難しいです。2齢から印が見えるという飼育者もいますが、確実に見るなら3齢を待つのがよいでしょう。無理に確かめようとして小さな体をいじるより、エサと環境を整えることに気を配ったほうが得策かと思います。

3齢になると腹部の印で見分けられる

3齢になると、腹部のお尻寄りにある生殖器にあたる部分で判別できるようになります。3齢の期間は約9〜12か月と長く、前期・中期・後期がそれぞれ3〜4か月ほど続きます。オスは1年を超えることもあるので、判別のチャンスは何度も巡ってくるわけです。

3齢なりたては判定を保留する

3齢に上がった直後は、印を確認できずに判定を見送ったという飼育記録もあります。印がはっきりしないこともあるようなので、見えないからといって、すぐにメスだと決めるのは早いと思います。大きくなった幼虫のほうが見やすいので、なりたてのうちは「保留」にしておき、次の機会に見直すくらいの気持ちでいるのがおすすめです。

ここまでの流れを時期別にまとめると、次のようになります。

時期何で見るか確度の目安
1齢見分けない腹部でも難しい
2齢見える人もいるが難しい(頭の幅は参考まで)推測の範囲
3齢初期腹部を見て、見えなければ保留印が見えればオス寄り。見えなくてもメスとは決めない
3齢中期以降腹部と体重をあわせて見るもっとも判断しやすいが、100%ではない

迷ったら3齢の中期以降に、腹部と体重の両方で見直すのが基本です。

3齢幼虫の腹部でオスメスを見分ける手順

ここからは、実際に腹部を見るときの流れを紹介します。作業自体は、次の5つの手順で終わります。

  1. マット交換の日に、ゴム手袋とスプーン、量りを準備する
  2. 幼虫を仰向けにする
  3. お尻側から数えて2〜3節目あたりの腹部中央を見る
  4. 小さな窪み(点のような印)があるかを、光を当て角度を変えながら確かめる
  5. 判定と体重をラベルに記録する
3齢幼虫の腹部を見る5つの手順(マット交換の日にゴム手袋とスプーン、量りを準備、幼虫を仰向けにする、お尻側から2〜3節目の腹部中央を見る、小さな窪み(点のような印)があるか確かめる、判定と体重をラベルに記録する)

判別はマット交換の日に合わせる

幼虫を判別のためだけに掘り出すのは、負担のわりに得るものが少ないです。ヘラクレスオオカブトの幼虫の育て方でも紹介しているマット交換のときなら、どのみち幼虫を取り出すので、そのついでに腹部を見て体重も量れます。

幼虫は噛むので、指でつままずスプーンかマットごとすくいましょう。人の手の温度は幼虫には高く、素手で長く触ると負担になるため、ゴム手袋を着けて手早く済ませてください。

幼虫を仰向けにして腹部を見る

すくった幼虫をマットの上で仰向けにして、明るい場所で腹側をのぞき込みます。見る場所は、お尻側から数えて2〜3節目あたりの腹部の中央です。

お尻の先だけを見ていると見落としやすいので、節を数えながら位置を合わせるのがコツです。3齢になると幼虫は重くなるので、持ち上げるときはマットごと両手で支えてあげると安心です。

オスの印とメスの腹部の違い

オスの腹部には小さな窪みがあり、点のような印に見えます。国産カブトムシの幼虫で知られるV字とは見え方が違うので、V字を探さないようにしてください。色は黒っぽいものから茶色、白っぽいものまで個体や時期で変わり、窪みの中心からV字に白い筋が見えるという情報もあります。印が小さくて見にくいときは、ライトを当てたり、幼虫の角度を変えたりしてみましょう。一方のメスには、この窪みがありません。

幼虫の腹部の見る位置の模式図(お尻側から2〜3節目の腹部中央を見る。オスには小さな窪み(点のような印)があり、メスにはない。印の色は個体や時期で変わる)

つまり、探すのは「オスの印があるかどうか」の1点だけです。メスの特徴を別に探す必要はないので、そう考えると少し気が楽になるのではないでしょうか。

はると

3齢でも慣れないうちは見分けがつきにくいものです笑。見えなくても腕のせいとは限らないので、気楽にいきましょう。

印が見えにくいときは次回に回す

幼虫が動いて見えなかったり、印らしきものがあるのかどうか迷ったりしたときは、その場で決めきらなくて大丈夫です。ラベルに「保留」と書いて、次のマット交換のときに見直しましょう。交換は3か月前後が目安で、体が大きくなるほど見やすくなります。

幼虫の体重と大きさでオスメスを見分ける

腹部で迷う個体の助けになるのが体重です。マット交換のたびに量っておくと、判別の材料になり、成長の記録にもなります。

3齢中期以降の体重の目安

体重の目安は、3齢の中期以降で次のようになります。

3齢中期以降の体重見方次にすること
30〜50g前後メスが落ち着くことの多い範囲腹部に印がないかを確かめる
50〜60gどちらもあり得る腹部の印を優先する
60g超オスの可能性が高い腹部の印もあわせて確かめる
100g超オスでは最終的に珍しくないオス用の大きなケースで育てる

60gを超えてくるとオスの可能性が高く、メスは30〜50g前後で落ち着くことが多いです。ただし、これは中期以降の話で、3齢に入ったばかりの軽さはメスの根拠になりません。これから体重が乗っていくオスもいるからです。購入した幼虫で3齢に入った時期がわからないときは、体重は参考にとどめて腹部を優先してください。

3齢中期以降の体重の目安(メスは30〜50g前後、50〜60gはどちらもあり得るので腹部の印を優先、60g超はオスの可能性が高く、オスは最終的に100g超も珍しくない)

50〜60gは腹部の印を優先する

50〜60gあたりはオスとメスのどちらもあり得る範囲なので、体重だけでは決められません。ここでは腹部の印を優先して、印が見えればオス寄り、見えなければ次回に見直すという順番で考えるとよいでしょう。

次のマット交換でも量って増え方を比べておくと、判断の材料がひとつ増えます。

はると

私の飼育では、体重が前回より減っていると「マットが合わなかったかな」と反省する材料になります。記録を続けていると、自分の飼育の癖もだんだん見えてくるんですよね。

体重だけで決めつけない理由

体重は便利ですが、絶対の基準ではありません。小さめのオスと大きめのメスは体重が重なるからです。血統や管理によっても育ち方は変わるので、「軽いからメス」「重いからオス」と一度で決めてしまうのは避けたいところです。

腹部と体重が食い違ったときは、腹部を優先します。軽くても印らしきものがあれば「オス寄り」とし、3齢中期以降に見直しても印が見えず、体重も30〜50g前後なら「メス寄り」としてよいと思います。60gを超えているのに印が見えない個体や、50〜60gで印が見えない個体は「保留」のまま大きいケースで育て、次の交換で確かめましょう。オスを小さな容器に入れたままだと角が曲がるおそれがありますが、メスを大きなケースで育てても羽化に問題はないので、迷ったらオスとして扱うほうが安全です。

ヘラクレスは成虫でもオスとメスの体格差が大きな昆虫で、その差はヘラクレスオオカブトの大きさの記事で詳しく紹介しています。幼虫の体重はその差が表れ始めたものと捉えて、腹部の判定を裏づける材料として使うのがちょうどいいかと思います。

顔や頭の大きさでオスメスはわかる?

幼虫の顔つきや頭の大きさでオスメスがわかるという話を聞いて、見比べてみたくなる方もいるのではないでしょうか。結論としては、参考にはなるものの、これだけで決めることはできません。

オスは頭が大きい傾向がある

頭の幅はオスのほうが大きい傾向があります。ただ、小型のオスと大型のメスでは同じくらいになってしまうため、確実な見分け方とはいえません。オスのほうがよく食べるのでマットの減りが速く、フンも大きくなりやすいといわれますが、これも目安です。顔の印象で「この子はオスっぽい」と感じることはあっても、それは判定の根拠というより、飼育者の楽しみくらいに考えておくのがよいでしょう。

2齢の頭の幅は参考にとどめる

腹部が見にくい2齢(二令)のうちに、頭の幅で性別を推測する飼育者もいます。同じ管理ならメスのほうが早く3齢になるという声もありますが、どちらも経験則の範囲で、断定できるものではありません。

私個人的な意見ですが、判別は3齢まで待って腹部を見るほうが確実かと思います。

記録として頭の幅を残しておきたい方は、Adoric デジタルノギス 150mmのようなノギスがあると便利です。測るときも、幼虫を触る時間が延びないように手早く済ませましょう。

判別後のケース分けとペア作り

オスかメスかの見当がついたら、ケースを分けます。性別によって必要な広さも羽化の時期も違うので、ここでの扱いの差を先に見ておきましょう。

項目オスメス
3齢のケース約10L(Q-BOX40、いれと庫DVDサイズ約12L)約7.5L(いれと庫文庫本サイズ)でも飼育できる
孵化から羽化まで(蛹を含む)約1年半〜2年約1年〜1年半
蛹の期間約2〜3か月約1〜2か月
扱いの注意大きなケースを早めに用意する先に羽化するのを見込んでおく

オスは約10Lのケースへ移す

オスと判断した3齢幼虫は、約10Lのケースで育てます。定番はQ-BOX40や、天馬 DVDいれと庫 3個セットのDVDサイズ(約12L)です。オスは最終的に100gを超えることも珍しくないので、体重が伸びる時期に広さとマットの量を確保してあげましょう。

オスは蛹室も長くなるので、羽化前の備えは人工蛹室の作り方も見ておくと安心です。

メスは約7.5Lから管理できる

メスはいれと庫の文庫本サイズ(約7.5L)でも飼育できます。ケースが小さければ置き場所にも余裕ができるので、頭数が多い方には助かるところです。

オスかメスか迷っている個体は、オスだった場合に備えて大きいケースに入れておくと安心でしょう。

ラベルに判定の確度を書いておく

判別したら、ラベルには性別だけでなく、その根拠も書いておきましょう。「オス寄り(腹部の印あり)」「メス寄り(印なし・体重も軽め)」「保留」と分けておけば、次回どれを見直すべきかがひと目でわかります。

あわせて、孵化日、マット交換日、体重も書いておくのがおすすめです。性別だけを書くと、確かめた判定なのか、なんとなくの推測なのかが後からわからなくなってしまいます。

ペア作りは羽化時期の差を見込む

孵化から羽化までの期間は、蛹の時期も含めてオスが約1年半〜2年、メスが約1年〜1年半です。蛹の期間もオスのほうが長くなっています。そのため、同じ時期に産まれた兄弟でも羽化の時期はずれるのが普通です。期間の詳しい目安はヘラクレスオオカブトの幼虫期間はどれくらい?にまとめています。

ペアを作りたいなら、1ペアぶんちょうどではなく複数頭を確保しておくと、判別が外れたときの保険にもなります。ずれへの対処はヘラクレスオオカブトのペアリングのやり方の記事を、同じラインで複数頭を持つ考え方はヘラクレスオオカブトの血統とは?の記事を参考にしてみてください。

増えた幼虫を販売するなら、雌雄もサイズや血統と並んで買い手が気にする情報です。ラベルに判定の根拠が残っていれば、説明もしやすくなるでしょう。販売まで考えている方はヘラクレスオオカブトの繁殖は儲かる?の記事もあわせてご覧ください。

幼虫のオスメス判別はどこまで確実?

幼虫の判別とうまく付き合うには、どこまで信じてよいのかも知っておきたいところです。期待しすぎないことも、ひとつのコツです。

幼虫の判別に100%はない

腹部の印は有力な手がかりですが、幼虫の段階で100%とは言い切れません。販売店でも、幼虫の雌雄について100%とは言い切らないことがあるほどです。自分の判定が外れていたとしても、落ち込むことはありません。

ですので、「オス寄り」「メス寄り」くらいの見込みで管理して、確定は蛹の段階に任せる構えでいると、気持ちもずいぶん楽になるはずです^^

蛹になれば角の有無で確定する

幼虫のうちは見込みでも、蛹になれば答えが出ます。オスの蛹は角が伸びた形をしていて、メスの蛹は角がなく丸い形をしているので、ここで性別が確定します。

幼虫のときの判定と答え合わせをするのも、記録を付けてきた人だけの楽しみかと思います!

成虫のオスとメスは角と体色で見分ける

成虫になれば、オスには角があり、メスには角がなく黒っぽいので、腹部を見なくても違いがわかります。成虫の特徴や見分け方はヘラクレスオオカブトのメスの特徴と見分け方の記事で紹介しています。

国産カブトムシの幼虫との違い

国産カブトムシの幼虫にも、腹部の印で見分ける方法が知られています。腹側を見るという考え方は同じなので、国産を飼ったことがある方なら入りやすいでしょう。

違うのは体の大きさです。この記事で紹介した体重の目安はヘラクレスのものなので、国産カブトムシにはそのまま当てはめないでください。

幼虫のオスメス判別で気をつけること

判別は幼虫にとっても無関係な作業ではありません。性別を知りたい気持ちが先走らないように、次の2つを押さえておきましょう。

何度もひっくり返さない

判別で幼虫が死亡してしまわないかと心配になるかもしれませんが、幼虫が死んでしまう原因は、私の経験上、だいたい再発酵したマットや温度といった飼育環境にあります。とはいえ、幼虫は環境の急変に弱く、ストレスで体重が落ちることもあるので、触りすぎてよいわけではありません。

見るのは1回の交換につき短時間にして、わからなければそこで切り上げてください。気になって掘り出すことのほうが、幼虫にとってはよほど負担です。

はると

性別が気になる気持ち、よくわかります。でも幼虫は逃げませんので、次のマット交換まで待ってあげてくださいね。

原因の切り分けは、幼虫が死んだときの見分け方と原因にまとめています。

蛹室を作り始めたら掘り出さない

体が黄色っぽくなる、マットを食べなくなる、ケースの底や側面に空洞が見える。こうしたサインが出たら、マット交換も判別もやめて、ケースを動かさないようにしましょう。蛹室を壊してしまうと、作り直す体力を使ってサイズが落ちたり、最悪の場合は死んでしまったりするからです。

ここまで来れば、蛹になって性別がはっきりするのは目前です。判別はあきらめて、静かに見守ってあげてください。

まとめ

ヘラクレスオオカブトの幼虫のオスメスは、3齢になってから、お尻側から2〜3節目の腹部中央にある小さな窪み(点のような印)で見分けます。3齢中期以降は60g超ならオスの可能性が高く、メスは30〜50g前後が多いので、50〜60gの迷う個体は腹部を優先してください。幼虫の判別に100%はなく、確定するのは蛹になってからです。

見えなければ保留にして、次のマット交換で見直せば大丈夫です。ラベルに根拠を残しながら、のんびり答え合わせを楽しんでいただければ、私も大変うれしいです。

当サイトではそれぞれの飼育フェーズに合った情報を紹介しています。ぜひ以下の記事もご覧になってみてください。

幼虫飼育の記事一覧

ヘラクレス飼育のまとめ

おすすめ記事