発酵マットのガス抜きは、特にカブトムシを飼育している方にとっては必ず直面する問題でしょう。ガス抜きと聞くと、難しいイメージや面倒くさいイメージを持つ方も多いのではないでしょうか。
実は発酵マットのガス抜きはとても簡単で、難しいことは何もありません。なぜなら、必要な道具も少なく、基本的には放置しているだけで完了するからです。
この記事では、発酵マットのガス抜き方法はもちろん、ガス抜きに必要なものや、ガス抜きをしなければいけない理由までご紹介していきます。この記事を読むと、発酵マットのガス抜きの手順と、ガス抜きをしなければいけない理由がよくわかるでしょう。
発酵マットのガス抜きに必要なもの
発酵マットのガス抜き作業に必要なものは2つのみです。
- 袋に入った発酵マット
- トロ舟(30L以上がおすすめ)
トロ船とは、左官業(建物の壁や床を塗り仕上げる職人)の方がセメントやコンクリートを練る際に使うプラスチック製の容器のことを指し、プラ船やタフ船とも呼ばれます。
トロ船はカブクワブリーダー界隈では定番アイテムですので持っている方も多いです。卵や幼虫の割り出しの時にも活躍してくれるので、持っていない方は是非、手に入れておきましょう。
<おすすめポイント>
- 容量60Lのため、飼育量が増えてもこれ1つで対応可能
- 送料無料のためコスパもよい
トロ舟を持っていない方は、バケツ等の大きめの入れ物で代用することも可能です。
発酵マットで迷われている方は以下の記事をご覧ください。
発酵マットのガス抜きの方法
ここからはさっそく発酵マットのガス抜きの方法を手順を追って解説していきます。
- 発酵マットを袋から出してトロ船にいれる
- 1週間ほど放置してガスを抜く
- 発酵臭がなくなったらガス抜き完了!
手順1.発酵マットを袋から出してトロ船にいれる
まずは発酵マットをトロ船に出して広げましょう。
この時の注意点は以下の2点です。
- マットを詰めて固めない(発酵促進)
- 加水しない(劣化防止)
マットを詰めて固めてしまうと、空気が満遍なくマットに触れることができなくなり、発酵に偏りが出る場合があります。ふんわりと広げて、表面は軽くならす程度にしておきましょう。
また加水もしない方がよいです。加水は発酵を促進させるので一見すると良いように感じるかもしれませんが、加水するとマットの劣化の原因につながります。これから使用するのに、すでに劣化が進んでいるのは嫌ですよね。
手順2.1週間ほど放置してガスを抜く
発酵マットをトロ船に開けましたら、1週間ほど放置しましょう。放置期間はマットの熟度によりますが、1週間放置すれば基本的に問題ないです。
放置期間中は全くいじらないのではなく、1日置きくらいのペースで定期的にかき混ぜましょう。かき混ぜることでマットの粒子全体に均等に空気が行き渡るようになり、より発酵が進みやすくなります。
手順3.発酵臭(独特な甘い臭い)がなくなったらガス抜き完了!
発酵マットを放置して1週間ほど経ちましたら、マットの臭いを確認していきましょう。
マットの臭いが嗅いだことのある土の匂いになっていれば、ガス抜きは完了です。
産卵セットの場合はこの後、適度に加水(マットを握ったら形が残り、ゆすったら崩れるくらい)をし、ケースに詰めていきましょう。
発酵マットのガス抜きをする理由
ここまで発酵マットのガス抜き方法をご紹介してきましたが、正直面倒くさいですよね。発酵マットのガス抜きはなぜやらなければいけないのでしょうか。
ここからは発酵マットのガス抜きをする理由について解説していきます。
そもそも発酵とは
発酵とは、バクテリアや菌などの微生物が物質を分解することを指します。
発酵マットはもともとバクテリアや菌を含んでおり、袋から開けて空気や空気中の水分に触れることで、そのバクテリアや菌たちが活性化(爆発的に増殖)し、マットの分解が一気に進みます。これが発酵であり、この時に発生する熱が発酵熱です(ガスも発生します)。
ガス抜きをしないとどうなる?
結論から言うと、発酵マットのガス抜きをせずに親虫や幼虫の投入をした場合、死んでしまう可能性が高くなってしまいます。
その理由は先ほどご紹介したような、マット発酵時に生じる熱とガスです。
面倒かもしれませんが、最悪のケースを避けるためにも、発酵マットのガス抜きは事前に済ませておきましょう。