「ヘラクレス・オキシデンタリス」というカブトムシをご存じでしょうか。定期的にワイルド個体も日本に輸入されてきているため目にする機会もあるかと思いますが、いったいどのような特徴を持っているのでしょうか。
入手するにあたっての難易度や平均価格についても調査して紹介していますので、これから購入を考えている方は是非お役立てください。
目次
ヘラクレス・オキシデンタリスとは
ヘラクレスオキシデンタリスとはヘラクレスオオカブトの13亜種のうちの1種類です。
いったいどのあたりに住んでいる種類なのか、また”オキシデンタリス”という名前の由来はどこからきているのか、について調べてみました。
ヘラクレス・オキシデンタリスの生息地
ヘラクレス・オキシデンタリスはコロンビアからエクアドルにかけて、パナマからアンデス山脈の西側山麗までの太平洋側のエリアにのみ生息しているヘラクレスオオカブトです。この地域にはヘラクレス・リッキーも生息していますが、標高差で棲み分けがされています(オキシデンタリスは標高の低いエリアに生息)。
野外採取のワイルド個体は2000年頃から日本に輸入されてきており、現在でも定期的に入荷しています。
『ヘラクレスオオカブトの生息地』も併せてご覧ください。
オキシデンタリスリの名前の由来
ヘラクレス・オキシデンタリスの「オキシデンタリス」という名前は、ラテン語で「西の」を意味するoccidental(オキシデンタル) という形容詞にちなんでいます。
これはヘラクレス・オキシデンタリスの生息地が南アメリカ大陸の西海岸沿いの山に生息しているからです。
ヘラクレス・オキシデンタリスの特徴
ヘラクレス・オキシデンタリスのわかりやすい特徴は以下の2点でしょう。
- 前胸に薄黄色が差す個体がいる(全個体ではないが、この特徴がでるのはオキシデンタリスのみ)
- 頭角の先端が強く湾曲し、かぎ状になっている
1つ目に挙げた特徴は発現する個体としない個体と別れるため確実な見分け方にはなりませんが、2つ目の特徴はかなりわかりやすく、覚えておけば一目でオキシデンタリスと見分けることができるでしょう。
オキシデンタリスの特徴|ギネスサイズについて
ヘラクレス・オキシデンタリス(オス)のギネスサイズは164.2mmとされています。この記録は2019年の飼育レコードですが、ここ3年ほどは塗り替えられていない記録となります。
飼育者がそもそも多くない、ということも記録が更新されていない理由の1つであると考えられるので、もしヘラクレス・オキシデンタリスを入手することができたらギネス記録を狙ってみるのも面白いかもしれません。
参考:チビ& &カブトレコード個体(2019 年度版) – むし社
ヘラクレス・オキシデンタリスの入手難易度[レア度]
ヘラクレス・オキシデンタリスの入手難易度はそこまで高くなく、店舗でもネットでも手に入れやすいですが、店舗で成虫を手に入れようとすると少し難易度は上がるイメージです。
オキシデンタリスの店舗での入手難易度|★★★☆☆
店舗(昆虫ショップ)での購入を考えているのであれば、成虫ではなく幼虫で入手することが多くなるでしょう。
ワイルド個体は定期的に入荷があるものの、数が多いわけではないので、お店側としても卵をとっ他方が中長期的な売り上げにつながりやすいからです。また、そもそもワイルド個体は価格も高くなりやすいので、幼虫の方が価格的にも手が届きやすいでしょう。
オキシデンタリスのヤフオクでの入手難易度|★★★☆☆
一方で、ヤフオクであれば成虫でも手の届きやすい価格で手に入れられるでしょう。ヘラクレス・ヘラクレスのように、いつみても出品されているというほどではありませんが、年間を通して月に5~10件ほどは出品されている傾向にありますので、気になる方はこまめにチェックしてみることをおすすめします。
ヘラクレス・オキシデンタリスの平均価格
ヘラクレス・オキシデンタリスの平均価格を過去のヤフーオークションの落札価格から調べてみました。参考に程度に役に立てていただければ幸いです。
ヘラクレス・オキシデンタリスの成虫の平均価格
成虫の価格を決める要素は以下の3つだと考えられます。
- サイズ
- 野外個体か飼育個体か
- ♂♀ペアなのか、単品なのか
まずサイズについて、当たり前だと思いますが、サイズが大きい個体ほど価格は高くなります。ただ、130mm前後までは大きな価格差はなく取引される傾向であることがわかりました。
130mm以上の個体は極端に取引数が少なく、140mmを超えるとかなり高額になる可能性もあります。
- ♂102mmのペア:6,000円
- ♂116mのペア:9,000円
- ♂131mmのペア:12,000円
次に、野外個体かどうかでも価格は大きく異なります。個人で輸入するケースはないと思うので、基本は店舗から購入することになるのですが、これも価格が高くなってしまう一因でもあるでしょう。
- ♂132mmのペア:110,000円
- ♀55mmの単品:44,000円
最後に、ペアなのか単品なのかについてですが、オスとメスのどちらも揃えることを前提とするのであれば、ペアで購入したときのほうが安く済む傾向にあります。もちろん、オークションの場合、価格はその時々で大きく変動することに注意をしましょう。
『ヘラクレスオオカブトの値段相場』も併せてご覧ください。
ヘラクレス・オキシデンタリスの幼虫の平均価格
ヘラクレス・オキシデンタリスに限った話ではないですが、カブトムシやクワガタを購入する際は、幼虫の価格のほうが成虫よりも安くなります。
ヘラクレス・オキシデンタリスの幼虫の価格を決める要素は以下の2点です。
- 幼虫の大きさ(加齢の具合)
- 親のサイズ
特に1つ目に挙げた「幼虫の大きさ(加齢の具合」は幼虫の価格に大きな影響を与えます。どういうことかというと、幼虫が大きい(=加齢している)ということは羽化まで期間が短いことを指します。つまり、すぐに成虫になる幼虫であれば高値で取引され、成虫まで時間がかかる個体は比較的安価に手に入れることができるです。
- 初齢幼虫×5頭:2000円
- 3齢幼虫ペア(2頭):3000円
2つ目に挙げた親のサイズですが、オキシデンタリスの場合はあまり親のサイズが記載されて売られている個体は多くはないですが、仮に140mmを超えるような大型個体からの幼虫の場合は、やや高値で取引されることが予想されます。
ヘラクレス・オキシデンタリスの飼育方法
ヘラクレス・オキシデンタリスの飼育方法は基本的なヘラクレスの飼育方法と同じです。
もし、ヘラクレスオオカブトの飼育方法がわからない方や、不安な方は以下の記事を参考にしてみてください。
まとめ
ヘラクレス・オキシデンタリスは全13亜種のヘラクレスオオカブトの中でも、比較的大型になる亜種です。
飼育人口もそこまで多くないので、もし飼育する機会があれば大切に育てて、ぜひギネスを狙ってみてください。
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