ヘラクレス・エクアトリアヌスの特徴は?生息地・大きさ・値段・リッキーとの違いを解説
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ヘラクレス・エクアトリアヌスの特徴は?生息地・大きさ・値段・リッキーとの違いを解説

「ヘラクレスオオカブトの中に、上翅がレモンのようにきれいな黄色になる亜種がいるらしい」と聞いて調べてみたものの、エクアトリアヌスとリッキーの違いがいまひとつわからなかったり、どれくらいの大きさになっていくらくらいするのか、情報がばらばらで困ってしまった方も多いのではないでしょうか。そもそも名前が長くて覚えにくいですよね笑

実は、エクアトリアヌスは「上翅の色」「角の形」「暮らしている標高」の3点で整理すると、リッキーとの違いがすっきり見えてきます。なぜなら、どちらもアンデス山脈にゆかりのある亜種で姿はよく似ている一方、上翅の色味と光沢、角の作り、そして分布している土地の高さがはっきり違うからです。

この記事では、エクアトリアヌスの基本データと名前の由来、生息地、上翅や角の特徴、大きさと記録、リッキーとの違い、入手難易度と価格の目安、寿命と飼育の考え方までをまとめました。この記事を読めば、お店やオークションで「エクアトリアヌス」という名前を見かけたときに、どんな亜種なのかを落ち着いて判断できるようになるでしょう。

この記事のまとめ
  • ヘラクレス・エクアトリアヌスは13亜種の中で最も広い範囲に分布する亜種で、アンデス山脈の東側からアマゾン川の上流〜中流域に暮らしている
  • 最大の特徴は黄褐色〜明るい黄色で黒い斑点の少ない上翅。頭角は細めで直線的、オスは80〜160mm台が目安で、飼育下の最大記録は162.6mm
  • リッキーより低い土地に分布する。ペアの価格は2002年時点でオス110mm以上が4万円前後という情報があり、飼育はほかのヘラクレスと同じ考え方でよい

ヘラクレス・エクアトリアヌスとは

まずは、エクアトリアヌスがヘラクレスオオカブトの中でどんな立ち位置の亜種なのかを押さえておきましょう。

13亜種の中での位置づけ(最も広く分布する亜種)

ヘラクレスオオカブトには13の亜種があり、全体像はヘラクレスオオカブトの種類は13種類!それぞれの特徴や希少性の違いとはにまとめています。その中でエクアトリアヌスは、学名を Dynastes hercules ecuatorianus といい、1913年に Ohaus 氏によって記載された亜種です。分布の広さが際立っていて、ヘラクレスオオカブトの中で最も広い範囲に分布する亜種とされています(参考:Wikipedia「ヘラクレスオオカブト」)。

基本データを先に表にしておきます。

項目 内容
学名 Dynastes hercules ecuatorianus
記載 1913年(Ohaus)
分布 コロンビア南東部・エクアドル東部・ペルー北東部・ブラジル西部・ボリビア北部〜中央部(アンデス山脈東部〜アマゾン川上流・中流域)
体長(オス) おおよそ80〜160mm台(資料によっては60mm台から記載)
体長(メス) 55〜73mm
最大記録 野外165mm/飼育下162.6mm(2008年時点・産地未記入)
希少度の目安 ★☆☆☆☆〜★★★☆☆(サイズや産地で変わる)

原名亜種のヘラクレス・ヘラクレス(通称ヘラヘラ)やリッキーのように、記録の大きさで注目される亜種ではありません。その代わり、上翅の色味のきれいさが魅力の亜種で、「大きさより色で楽しみたい」という方にとっては、とても魅力的な選択肢になるかと思います。

はると

ヘラクレスというと角の長さや記録の話になりがちですが、エクアトリアヌスは「色を愛でる亜種」だと個人的には思っています。明るい黄色の上翅は、ヘラヘラやリッキーを見慣れた目にも新鮮に映りますよ。

名前の由来はエクアドル

「エクアトリアヌス」という亜種名は、産地の国名であるエクアドルに由来するとされています(参考:Wikipedia「ヘラクレスオオカブト」)。ラテン語風の響きで覚えにくく感じますが、「エクアドルのヘラクレス」と読み替えてしまえば、名前と産地が一度に頭に入るのではないでしょうか。

ヘラクレスオオカブトの亜種名には、人名に由来するもの(リッキーなど)と、産地や方角に由来するもの(オキシデンタリスは「西の」という意味のラテン語)があります。エクアトリアヌスは後者で、名前そのものが生息地のヒントになっている亜種です。

ヘラクレス・エクアトリアヌスの生息地

次に、エクアトリアヌスがどんな場所に暮らしているのかを見ていきましょう。生息地を知っておくと、販売ページに書かれている産地表記の意味が読み取りやすくなります。

アンデス東部からアマゾン上流域の低地

エクアトリアヌスが分布しているのは、アンデス山脈の東側からアマゾン川の上流域〜中流域にかけてのエリアです。国でいうとコロンビア南東部(プトゥマヨ県)、エクアドル東部(ナポ県・パスタサ県)、ペルー北東部、ブラジル西部(アマゾナス州)、ボリビア北部から中央部までと、南アメリカ大陸の内陸側に広くまたがっています(参考:Wikipedia「ヘラクレスオオカブト」)。名前の由来になったエクアドルだけでなく、5か国にまたがって暮らしている亜種なんです。

ポイントは「アンデスの東側」というところです。同じアンデス山脈にゆかりのある亜種でも、オキシデンタリスは太平洋側(西側)、エクアトリアヌスはアマゾン側(東側)というふうに、山脈をはさんで反対側に分かれています。全13亜種がどこに暮らしているのかを地図のイメージでつかみたい方は、ヘラクレスオオカブトの生息地を紹介した記事もあわせてご覧ください。

リッキーとの棲み分け

エクアトリアヌスの生息地は、リッキーの生息地と隣り合っています。エクアドル東部のナポ県のように、どちらの分布にも名前が出てくる地域もあるほどです。ではどうやって分かれているのかというと、暮らしている土地の高さが違います。リッキーが標高500〜2000mの山地、とくに1500m前後に多く暮らしているのに対し、エクアトリアヌスはそれより低い土地に分布しているとされています。

ただし、境界に近い場所では両方の特徴をあわせ持った中間的な個体が見つかることもあるようです。リッキーそのものの特徴や記録、ヘラヘラとの違いについてはヘラクレス・リッキーの特徴を解説した記事で詳しく紹介しているので、見比べながら読んでいただくと理解が深まるかと思います。

はると

「ナポ県産」と書かれていても、それだけではリッキーなのかエクアトリアヌスなのか決められないわけですね。産地の表記と見た目の特徴を両方そろえて判断するのが、個人的にはいちばん安心だと思います。

ヘラクレス・エクアトリアヌスの特徴

ここからは、見た目の特徴を上翅、角、大きさの順に見ていきます。エクアトリアヌスらしさは、この3つを合わせて見るとわかりやすいです。

明るい黄色で黒斑の少ない上翅

エクアトリアヌスの最大の特徴は、やはり上翅の色でしょう。上翅は黄褐色から明るい黄色で、光沢は鈍めです。黒い斑点(黒紋)の出方は安定しておらず、少ない個体が目立つため、全体として明るくすっきりした色味に見えます(参考:Wikipedia「ヘラクレスオオカブト」)。この色味から「レモンイエロー」と呼ばれることもあり、ヘラヘラの黄土色〜オリーブ色や、リッキーの濁った黄褐色と並べると、違いがはっきり出ます。

体毛にも特徴があり、赤みの強い赤褐色で、胸角の部分では黄褐色になります。ヘラヘラの体毛が白黄色であることを考えると、上翅だけでなく毛の色もヒントになるわけです。なお、上翅が青白く見える「ブルーヘラクレス」については、そもそもブルーが何なのか、どの亜種に出るのかについてはブルーヘラクレス・リッキーブルーについて解説した記事で整理しています。

細く直線的な頭角と基部寄りの胸角突起

角の形にも、エクアトリアヌスならではの傾向があります。オスの頭角はやや細長く、あまり強くは湾曲せず、先端の突起は細くて先が尖ります。頭角の先端手前にある突起は棒状で先が尖り、根元の突起もやや細い棒状です。全体として、ヘラヘラの一様に湾曲した頭角と比べると直線的な印象を受けます。

胸角のほうは、根元が比較的太く、それほど強くは湾曲しません。胸角の突起は根元寄りに位置していて、表面の点刻はほとんどないか、あってもごく小さいとされています(参考:Wikipedia「ヘラクレスオオカブト」)。角の特徴は個体差もあるので、上翅の色で当たりをつけてから角の形で確認する、という順番で見るのがよいかと思います。

大きさの目安と最大記録

大きさは、オスがおおよそ80〜160mm台(資料によっては60mm台から記載)、メスが55〜73mmです。ヘラヘラやリッキーの大型個体に比べると上限はひとまわり控えめですが、150mmを超えればヘラクレスとして十分に迫力がありますし、色味の美しさと合わせれば満足度の高い亜種だと感じます。

記録のほうを見ると、野外で採れたオスの最大記録は165mmで、飼育下の最大記録は2008年時点で162.6mm(産地未記入)です(参考:Wikipedia「ヘラクレスオオカブト」)。ヘラヘラ(野外172.7mm・飼育下184.3mm)やリッキー(野外171mm・飼育下180.7mm)では飼育下の記録が野外を上回っているのに対し、エクアトリアヌスはまだ野外の165mmに飼育下が届いていない計算になります。飼育下の記録は、クワガタ・カブトムシ専門誌『BE・KUWA』を出しているむし社の飼育レコードで亜種ごとに公開されていますので、最新の数字を知りたい方はそちらを確認してみてください。ヘラクレス全体の記録の歴史はヘラクレスオオカブトのギネス記録の歴代と最新情報をまとめた記事で紹介しています。

はると

野外の165mmをまだ飼育下が超えていない、というのは裏を返せば伸びしろがあるということですよね。

ヘラクレス・エクアトリアヌスとリッキーの違い

エクアトリアヌスとリッキーは、見た目も産地も近いため、混同されやすい組み合わせです。違いを表で見比べてみましょう(参考:Wikipedia「ヘラクレスオオカブト」)。

項目 ヘラクレス・エクアトリアヌス ヘラクレス・リッキー
上翅の色・光沢 黄褐色〜明るい黄色。光沢は鈍く、黒斑は少なめで安定しない やや濁った薄いオリーブ色〜濁った黄褐色。光沢はやや弱く、黒斑は安定しない
頭角 やや細長く直線的で、先端突起は細く尖る やや長めで直線的に伸び、先端の突起は強く湾曲する
胸角 根元は比較的太く、強くは湾曲しない。突起は根元寄り 細くスラっとした印象で、根元はあまり湾曲しない
体毛 赤みの強い赤褐色(胸角では黄褐色) 黄褐色(オスの胸角では赤褐色)
分布の標高 リッキーより低地(アンデス東部〜アマゾン上流・中流域) 標高500〜2000m(1500m前後に多い)
体長(オス) おおよそ80〜160mm台 85〜180mm台
最大記録 野外165mm/飼育下162.6mm(2008年時点) 野外171mm/飼育下180.7mm(2022年時点)
流通 通販や販売ページで幼虫・成虫を見かけることがある 日本で流通の多い亜種のひとつ

いちばん見分けやすいのは、やはり上翅の色です。エクアトリアヌスは黄色みが明るく黒斑が少ないのに対し、リッキーは濁ったオリーブ色〜黄褐色に寄ります。次に見るのは頭角の先端で、エクアトリアヌスは細く尖って直線的、リッキーは先端の突起が強く湾曲します。胸角については、エクアトリアヌスの根元が比較的太いのに対し、リッキーは細くスラっとして見えるのが目安です。

大きさの面では、リッキーのほうが上限が高く、飼育下では180mmを超える記録があります。エクアトリアヌスは野外165mm・飼育下162.6mmですから、記録の上限だけを比べればリッキーに軍配が上がります。とはいえ、先ほど触れたように両者の分布の境界では中間的な個体も出るので、見た目だけで言い切るのは難しい場面もあります。個人的には、色と角の形で当たりをつけつつ、販売ページの産地表記や親個体の情報もあわせて確認するのが現実的な見分け方かと思います。

はると

写真で見比べるなら、まず「上翅が明るい黄色か、濁ったオリーブ色か」、次に「頭角の先端が尖ってまっすぐか、強く曲がっているか」の順で見ると迷いにくいですよ^^

ヘラクレス・エクアトリアヌスの入手難易度と価格

購入を考えている方が気になるのは、手に入れやすさとお金の話でしょう。まずは入手難易度から見ていきます。

店舗・オークションでの入手難易度|★★☆☆☆

エクアトリアヌスは、通販サイトや昆虫ショップの販売ページで幼虫や成虫を見かけることがあります。先ほどの基本データの表では希少度を★1つ〜★3つとしていますが、これはサイズや産地によって探しやすさが変わるためで、標準的なサイズであれば手に入れやすい部類に入るでしょう。

入手難易度は、個人的には星2つ(★★☆☆☆)くらいかと感じています。ヘラヘラやリッキーほどの定番ではありませんが、通販の販売ページでは幼虫を見かける機会もあります。大きなサイズの成虫や、産地をはっきり指定して探す場合は、選択肢が減って星3つ寄りになる、と考えておくとよいかと思います。

気をつけたいのは、やはりリッキーとの取り違えです。見た目と産地の両方が近いため、どちらの名前で売られているかだけでなく、上翅の色と頭角の形、産地表記の3点を確認してから決めると安心です。

価格の目安(2002年時点の資料)

2002年10月時点の資料では、エクアトリアヌスの成虫ペアの相場はオスのサイズごとに次のようになっていたという情報があります(参考:Wikipedia「ヘラクレスオオカブト」)。

オスのサイズ 成虫ペアの相場(2002年10月時点)
110mm以上 4万円前後
120mm以上 5万円前後
130mm以上 6万円前後

オスが10mm大きくなるごとに1万円ほど上がっていた計算です。ただ、これはあくまで20年以上前の目安です。いま買おうとしている方は、サイズ別・血統別の最近の傾向をヘラクレスオオカブトの値段の相場をまとめた記事で確認し、気になる個体があれば複数のお店を見比べてから決めるのがおすすめです。

ヘラクレス・エクアトリアヌスの寿命と飼育方法

エクアトリアヌスの寿命は、ほかのヘラクレスオオカブトと大きく変わらないと考えてよいでしょう。成虫の寿命は一般に1年ほどといわれ、個体差があって半年ほどで最期を迎える個体もいれば、1年半以上生きる個体もいます。メスのほうがオスより2〜3か月ほど長生きしやすい傾向があります。寿命を延ばすコツはヘラクレスオオカブトの寿命について解説した記事を参考にしていただければと思います。

飼い方も、ヘラヘラやリッキーと同じ考え方で大丈夫です。温度の目安は成虫が22〜25℃、幼虫が20〜23℃、蛹が20〜22℃で、幼虫期に25℃を超える環境が続くと羽化が早まって小型になりやすいので、夏場はエアコンなどで一定に保つのが基本になります。幼虫期間はオスで約1年半〜2年、メスで約1年〜1年半が目安です。温度管理の具体的なやり方はヘラクレスオオカブトの飼育に適した温度と管理方法を解説した記事で紹介しています。幼虫の容器やマット選び、産卵から羽化までの各工程は、記事末尾のまとめページから順にたどっていただけます。

エクアトリアヌスは低地に暮らす亜種なので、「暑さに強いのでは」と考えたくなるかもしれません。ただ、守るべき温度の目安はほかの亜種と共通ですから、生息地の印象で管理を変えるより、基本を丁寧に守るほうが結果につながると思います。きれいな黄色の上翅を見るためにも、まずは温度を一定に保つところから始めてみてください。

まとめ

ヘラクレス・エクアトリアヌスは、アンデス山脈の東側からアマゾン川の上流〜中流域に暮らす、13亜種の中で最も広い範囲に分布する亜種です。黄褐色〜明るい黄色で黒斑の少ない上翅と、細く直線的な頭角が特徴で、リッキーより低い土地に分布しています。オスはおおよそ80〜160mm台で、野外の最大記録は165mm、飼育下は162.6mm(2008年時点)です。ペアの相場は2002年時点でオス110mm以上が4万円前後という情報があり、飼育はほかのヘラクレスと同じ温度管理で問題ありません。

当サイトではそれぞれの飼育フェーズに合った情報を紹介しています。ぜひほかの記事もご覧になってみてください。

最後まで読んでいただき、お疲れさまでした。レモン色の上翅に惹かれてエクアトリアヌスを迎えようとしている方にとって、この記事が少しでも判断の助けになったのなら、私も大変うれしいです。せっかくなら、色も大きさも自慢できる1匹を育てたいですもんね。

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