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ヘラクレスオオカブトの成虫飼育におすすめのマットをご紹介!

ヘラクレスオオカブトの成虫飼育におすすめのマットをご紹介!

ヘラクレスオオカブトの成虫飼育用マットに関する情報は意外と少なく、何がいいのかわからない方も多いのではないでしょうか?

実は、ヘラクレスオオカブトの成虫用マットにはおすすめできないマットが存在します。なぜなら、適したマットを使用しないとコバエやダニが発生してしまうからです。

この記事ではコバエやダニが発生しない、ヘラクレスの成虫飼育におすすめのマットをご紹介しています。この記事を読むと、ヘラクレスオオカブトを飼育したことのない初心者でも、成虫管理用のマットにはどれを選べばよいのか判断できるようになるでしょう。

この記事のまとめ
  • ヘラクレスオオカブトの成虫飼育には「針葉樹マット」がおすすめ!
  • 針葉樹マットには防虫・消臭の効果がある

ヘラクレスオオカブトの成虫飼育におすすめのマット

まずはヘラクレスオオカブトに限らず、カブトムシの飼育に使われるマットにはどのような種類があるのか確認していきましょう。

マットの種類

ヘラクレスオオカブト(カブトムシ)の飼育に使用されるマットは大きく2種類存在します。

カブトムシの飼育マット
  • 発酵マット
  • 無発酵マット

発酵マットとは

発酵マットとは、主にクヌギやブナといった広葉樹を粉砕したチップに添加物を加えて発酵させたマットのことを指します。

発酵マットの特徴はマットそのもの栄養価が高いことにあります。そのため、主な使用用途はヘラクレスオオカブト(カブトムシ)の幼虫飼育に使用されることがほとんどです。

成虫飼育にも使用することはできますが、次に紹介する「無発酵マット」の方が成虫飼育におけるメリットは大きいため、成虫飼育に発酵マットを使っているブリーダーさんはごく少数かと思います。

無発酵マットとは

無発酵マットとは、広葉樹や針葉樹を粉砕しただけの、いわゆる“木くず”のことを指し、添加剤も何も加えられていないことから「無添加マット」と呼ばれたり、クワガタ飼育の産卵木を埋め込むマットとしても使用されることから「埋め込みマット」と呼ばれたりもします。

無添加マットについて
厳密には、添加剤が使われていない無添加マットの中にも、発酵が進んでいるマットも存在します。ただ、基本的には発酵が進んでいるマットに関しては幼虫飼育用と考えていただいて大丈夫です。

無発酵マットの中でも針葉樹マットがおすすめ

ここまでで、ヘラクレスオオカブトの成虫飼育には無発酵マットがおすすめなことは理解いただけたかと思います。

無発酵マットには、広葉樹を粉砕したものと、針葉樹を粉砕したものの2種類がありますが、中でもカブトムシの成虫飼育の場合は特に、針葉樹マットで管理することを強くおすすめめしたいです。

針葉樹マットがおすすめな理由に関しては次の見出しで紹介していきます。

ヘラクレスオオカブトの成虫飼育に針葉樹マットがおすすめな理由

ヘラクレスオオカブトの成虫飼育に針葉樹マットをおすすめする理由は以下の3つです。

  1. ダニやコバエが湧かない
  2. 消臭効果がある
  3. ヘラクレス等の大型種には悪影響なし

ここからはそれぞれの理由を詳しくみていきましょう。

理由その1.ダニやコバエが湧かない

針葉樹マットにはカブトムシ・クワガタムシを飼育している人の天敵である、ダニやコバエが湧きません。

針葉樹が虫を寄せ付けない理由について、岩田隆太郎『木質昆虫学序説』(九州大学出版会、2015)によると以下のように記されています。

針葉樹は特に樹脂の成分としてテルペン類などの抽出成分を大量に含んでおり,これが樹体枯死後も材内に残存して引き続き「防腐防虫剤」として機能し,分解を遅らせる

岩田隆太郎『木質昆虫学序説』(九州大学出版会、2015)64ページ

針葉樹の防虫効果は上記のように、論文の研究結果でも示されていますので間違いないでしょう。

コバエやダニが湧かないというのは、私たち人間にとって好都合であるだけでなく、ヘラクレスにとっても清潔な環境を維持できるという点でも針葉樹マットはおすすめできるでしょう。

理由その2.消臭効果がある

岐阜県森林研究所の「フィトンチッドと森林浴について」によると、次のようなことも言われています。

森林気相現象による森林生態系への自浄作用は、テルペン類が部分酸化する際に現れるマイナスイオン物質の作用であり次のような効果があります。
○害虫忌避
○有害菌の不活性化
○消臭効果
○精神安定効果(リラクゼイション)等

岐阜県森林研究所「フィトンチッドと森林浴について」

針葉樹には防虫効果だけではなく消臭効果もあるようです。

ヘラクレスに限ったことではないですが、カブトムシ・クワガタムシの飼育には臭いがつきものです。下記のような臭いが気になり始める前に、天然消臭剤である針葉樹林マットで対策しておきましょう。

臭いの原因
  • カブトムシ・クワガタムシ自体の臭い
  • カブトムシ・クワガタムシの排せつ物(おしっこ)
  • エサの腐敗

理由その3.ヘラクレス等の大型種には悪影響なし

針葉樹には防虫効果があることがわかりました。

しかし、実はヘラクレスオオカブトのような大型種には針葉樹マットの防虫効果はそこまで悪影響がないと考えられています。

ここからは、ヘラクレスの成虫飼育に針葉樹マットを使用してもよい理由として、有名ブリーダーさんの使用例をご紹介いたします。

針葉樹マットを使っている有名ブリーダーさん

ヘラクレスオオカブトのブリーダーで有名な方々も、成虫飼育には針葉樹マットを使用しています。

ここでは、せんえつながら有名ブリーダーさんのツイートの一部を引用させていただきまして、本当に針葉樹マットを使用しているのか確認していきましょう。

HirokAさんのツイート

上記のツイートは、HirokAさんという宮崎県にお住いの超有名ブリーダーさんです。HirokAさんが生み出すヘラクレスは180㎜を超える個体もいますが、そんな方でも針葉樹マットで成虫飼育をされていることがわかります。

クワカブの部屋の動画サムネイル

続きましてはこちらのお方です。このツイート主はYouTubeでカブトムシ・クワガタムシに関する動画を毎日あげている「クワカブの部屋」の三森さんです。三森さんご本人もヘラクレスの成虫飼育に針葉樹マットを使用されていますが、この動画で紹介されているブリーダーさん(超大規模ブリーダーさん)も針葉樹マットを使用されているのがわかるかと思います。

心配な場合は他のマットと混ぜよう

とはいえ、大切なヘラクレスに針葉樹マットを使用するのはどこか不安が残るというかたもいるでしょう。

そんな方は、針葉樹マットと+αで別のマットを混ぜてみるとよいでしょう。防虫効果、消臭効果も適度に備えつつ、ヘラクレスへの影響を最低限に抑える方法です。

ここからは針葉樹マットとよく混ぜて使われるマットをご紹介していきます。もちろん、これから紹介するマット単品でも使用できますので、是非ご覧ください。

ハスクチップ

ハスクチップとはヤシの実の外皮を粉砕したもので、通気性や保湿性に優れた床材です。

ヤシガラという木を使用しているのですが、どちらかというと針葉樹系であるため、通常の針葉樹マットと同様にコバエやダニの発生を抑えることができます。

また、チップ1つ1つが比較的大きいので、転倒防止の足場としても機能するかなり優秀な床材です。

ハスクチップは単品でも使用する飼育者さんが多いです。

ミズゴケ

ミズゴケは単価が安く、100円ショップでもそこそこの量を購入することができます。

ダニやコバエも湧きづらく、転倒防止としての機能もあるので、ハスクチップ同様かなり優秀な床材であるといえるでしょう。

しかし、劣化が早いため、1週間~2週間ほどで交換する必要があることはお忘れなく。

ヘラクレスオオカブトの成虫飼育におすすめのマット3選

ここまでは、針葉樹マットがヘラクレスの成虫飼育におすすめであることを解説してきました。

それでは具体的にどの針葉樹マットがおすすめなのかを紹介していきますので、よくわからないという方は参考にしてみてください。

おすすめその1.針葉樹ペレット(微粒子)

針葉樹ペレットとは針葉樹を粉末状にしたものをギュッと凝縮したものです。

小動物のトイレ砂としてもよく使われており、ペットショップで簡単に手に入ります。昆虫用の針葉樹ペレットもありますが若干高価ですので、基本的には小動物用のものでも構いません。(小動物用のペレットは薬剤が入っているものもありますので、針葉樹100%のものを選びましょう。)

使い方は、飼育ケースに適量の針葉樹ペレットをいれ、水を少量加えるだけです。もともと針葉樹の粉末が固まっただけのものですので、水を入れることにより水分を含んだふかふかの針葉樹マットになります。

おすすめその2.針葉樹マット(中粒子)

こちらはクヌギマット等の広葉樹系のマットと似た粒子のマットで、針葉樹マットといえばコレ!という感じでしょうか。

今回ご紹介するマットの中では一番安価で、一番手に入りやすいので、コスパを重視するのであればこれで決まりでしょう。

様々なメーカーさんから出ているので迷われるかもしれませんが、針葉樹100%であれば基本的にはどれも同じです。好きなメーカーさんを見つけてリピートするのも、ヘラクレス飼育のコアな楽しみ方かもしれませんね。

おすすめその3.針葉樹チップ(粗目)

針葉樹チップは針葉樹を削った、削り節のようなものです。

針葉樹チップは、前にご紹介した針葉樹ペレットや針葉樹マットのように目が細かくないので、成虫にまとわりづらく、また、ケースが汚れづらいというメリットがあります。

そのため、昆虫ショップではよくみかける床材ですが、量のわりに高価なのが唯一のデメリットです。

ヘラクレスオオカブトの成虫飼育マットに関するよくある質問

ヘラクレスオオカブトの成虫用マットはガス抜きする必要はありますか?

発酵マットを使用する場合は、念のためガス抜きはしておいたほうが良いでしょう。ガス抜きの方法はコチラの記事からご確認ください。ただし、ヘラクレスオオカブトの成虫飼育には無発酵マットの方をおすすめしていますので、その場合にはガス抜きは不要です。

ヘラクレスオオカブトの成虫飼育におすすめのマットは?

針葉樹マットがおすすめです。具体的なおすすめマットに関しては「ヘラクレスオオカブトの成虫飼育におすすめのマット3選」で紹介していますので、参考にしてみてください。

ヘラクレスオオカブトの成虫飼育に使ったマットで幼虫飼育もできますか?

成虫飼育に発酵マットを使用していた場合は、そのまま幼虫飼育にもお使いいただけます(発酵マットと無発酵マットの違いはコチラ)。無発酵マットの場合、幼虫はマットから十分な栄養が得られずに死んでしまう可能性が高いので、必ず発酵マットに切り替えて飼育するようにしてください。

まとめ

いかがだったでしょうか。この記事ではヘラクレオオカブトの“成虫飼育”には針葉樹マットを使用することがおすすめであると紹介してきました。

記事内でも簡単に触れましたが、実はヘラクレオオカブトの飼育におすすめのマットは「産卵セット用のマット」や「幼虫飼育用のマット」など、飼育フェーズによって異なります。

当サイトではそれぞれの飼育フェーズに合ったマットを紹介していますので、これからヘラクレオオカブトのブリードを始めたいという方は是非以下の記事もご覧になってみてください。

\ヘラクレスオオカブトの飼育方法まとめ/
まとめ記事はコチラから
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