ヘラクレスオオカブトの産卵マットにはどのマットが適しているのか悩んでいませんか?ネットで調べてみると情報が多すぎて、選びきれなくなってしまいますよね。
実は、ヘラクレスオオカブトの産卵マットには選び方のポイントがあります。ポイントさえ押さえてしまえば、だれでも迷うことなく、産卵に適したマットを選ぶことができるようになるはずです。
この記事ではヘラクレスの産卵マットに悩んでいる方に向けて、マットを選ぶ際のポイントと、具体的なおすすめマットを5つ紹介します。この記事を読むと、ヘラクレスオオカブトを初めて飼育する初心者でも100個近くの卵がとれるマットを選べるようになるでしょう。
ヘラクレスオオカブトの産卵マットを選ぶポイント
ヘラクレスの産卵マットはどのような観点で選べばよいのでしょうか。
- 微粒子マットを選ぶ
- 発酵が進んだマットを選ぶ
- 無添加マットを選ぶ
ポイントその1.微粒子マットを選ぶ
ヘラクレスの産卵マットには微粒子マットを選びましょう。
ヘラクレスのメスは産卵する際に、卵の周りのマットを脚で固めます。しかし、粒子の粗いマットですと粒と粒の間に隙間が生まれてしまいマットが上手く固まらなくなり、メスが卵を産みづらくなります。
一方で微粒子マットは粒と粒の間に隙間はほとんどできないので、固まりやすくメスが卵を産むには適したマットであると言えます。
ポイントその2.発酵が進んだマットを選ぶ
ヘラクレスの産卵マットには発酵が進んでいるマットが適していると言われています。
産卵用のマットに関しましては、幼虫飼育用のマットとは違いまして、熟度が高いものが多く使用されます。
参考:月夜野昆虫倶楽部「昆虫マットの使い方。飼育・産卵どちらにも使えます。」
発酵が進んだマットはメスが産卵床として好むだけではなく、再発酵しづらく扱いが簡単というメリットもあります。
また、孵化後間もない幼虫に栄養価の高いマット(発酵が進んでいないマット)を与えてしまうと、あまり大きくならなかったり、場合によっては☆になってしまったりとリスクもあるようなので、発酵が進んだマットは孵化後1~2週間までの幼虫管理マットとしても適しています。
ポイントその3.無添加マットを選ぶ
ヘラクレスの産卵マットには無添加マットも適していると言われています。
無添加ですので栄養こそないですが、完熟マットの紹介の際にお伝えした通り、孵化後間もない幼虫に栄養価の高いマットを与えることはリスクを伴います。
無添加マットといっても、メーカーさん毎にマットの熟度は様々ですので、無添加マットを選ぶ際も発酵が進んだものを選ぶとよいでしょう。
ヘラクレスオオカブトにおすすめの産卵マット5選
ヘラクレスにおすすめの産卵セットを5種類、ご紹介します。それぞれかなり有名なマットで、実績も間違いなしです。産卵マットに迷われた場合は、是非参考にしてみてください。
- HirokAマット
- 完熟マット
- 黒土マット
- Nマット
- スーパー万能カブトマット
その1.HirokAマット|HirokAさん
日本が誇るヘラクレスブリーダーである、HirokAさんが開発した産卵用マットです。
購入方法は2通りで、以下の通りです。
- HirokAさんから直接購入する(ツイッター、ヤフオク)
- 取り扱いショップから購入する
どちらにしても、年中手に入る代物ではないため、HirokAさんやショップのツイートを定期的にチェックしておく必要があります。
ただ、さすがはHirokAさんのマットというだけあって効果は絶大のようで、YouTubeチャンネルの「クワカブの部屋」にてHirokAマットとその他のマットの採卵数の違いが紹介されています。
以下にその時の動画を用意させていただきましたので、気になる方は是非ご覧ください。(HirokAマットの採卵結果は動画内15:28~です。)
また、以下は東京都大田区にある昆虫ショップ「ビートロン」さんにHirokAマットが入荷した際のツイートです。
その2.完熟マット|月夜野きのこ園
完熟マットは月夜野きのこ園さんが販売する超定番マットで、常時手に入りやすいマットの中では一番オススメしたいマットです。
- 微粒子
- 高熟度
記事内で紹介した産卵マットを選ぶ基準を2つも満たしてくれています。
産卵マットとしての実績はもちろん、幼虫飼育の実績も素晴らしく、ヘラクレス・オキシデンタリスの164.2㎜という2019年のBE-KUWA飼育レコードも残しているマットです。
発酵が進んだマットは栄養価が下がる傾向にありますが、この完熟マットは程よい栄養を維持しているので、孵化したての孵化したての幼虫にも使用でき、その後の幼虫飼育でも活躍してくれます。
その3.黒土マット|月夜野きのこ園
黒土マットは先ほどの完熟マットと同じ月夜野きのこ園さんが販売しているマットです。
完熟マットよりも発酵が進んでおり、カブトムシの産卵に特化させたマットであると言えます。
粘度のあるマットであるため固まりやすく、ヘラクレスのメスが産卵するのに適した産卵マットであるといえるでしょう。
ただし、栄養価は完熟マットよりも低いので幼虫飼育には向いていません。
その4.Nマット|RTN
こちらは東京都八王子市にある(株)テクニカルアートさんのプライベートブランドであるRTN(Return to Nature)のオリジナルマットです。
参考:RTNの公式サイト
このNマットは先に紹介している「産卵マットを選ぶポイント」を3つ満たしているマットです。
商品紹介を見るとクワガタの産卵マットに特化しているように感じますが、マットのスペックはヘラクレスの産卵マット用として申し分ないどころか、一般流通している産卵マットの中では最高レベルです。
唯一気になる部分は、お値段でしょうか。5Lで1000円(完熟マット・黒土マットの倍額)するので、たくさん飼育している方にとっては少々痛いかもしれません。
その5.スーパー万能カブトマット|ドルクスオーナーズショップ
こちらはコスパ最強の産卵マットです。
お値段は10Lで399円(税込み)と破格であり、今回ご紹介しているマットの中でも断トツでお安いマットです。
- 微粒子
- 高熟度
この価格設定ながら、産卵マットとしてのスペックも備わっており、実績もしっかりあります。
HirokAマットのご紹介時に添付したYouTubeチャンネル「カブクワの部屋」の三森さんは、基本的にはこのスーパー万能カブトマットを使用しているそうです。
ヘラクレスオオカブトの産卵マットの使い方
お気に入りの産卵マットは見つかりましたでしょうか。
せっかく良いマットを手に入れても、使い方を間違えてしまうと「全く卵が取れない、、」なんてこともありえます。簡単なことですので、しっかり確認しておきましょう。
使用前にガス抜きをする
マットの扱いで特に大切なのはこの「ガス抜き」です。
ヘラクレスの産卵マットとはいわゆる発酵マットです。発酵マットにはバクテリアや菌などが潜んでいますが、袋に密封されている状況下ではそれらのバクテリアや菌は仮死状態になっています。
マットが入っている袋を開封しマットが空気に触れると、マット内のバクテリアや菌が再び活動し始め、再発酵(ガスや熱、異臭が発生)し始めるのです。
ガス抜きをせず、袋から出したマットをそのまま産卵マットとして使おうとすると、再発酵によるガスや熱によってメスが死んでしまうことがあるので、しっかりガス抜きはするようにしましょう。
マットは固く詰めて使用する
マットはケース内に押し込むようにしっかりと詰めましょう。こうすることによって、ヘラクレスのメスの産卵意欲を掻き立てるとともに、卵を産みやすくなるとされています。
- ガス抜きを済ませたマット用意する
- マットを握ったら固まるくらいまで加水する(水分が染み出るのはNG)
- ケース内にマットを適当にいれ、こぶしで固く詰める
- 2をケースの8割くらいになるまで繰り返す
- マットの表面は固めないよう、最後はふんわり入れる
たったこれだけです。固く詰める部分が多いほど採卵数も増える傾向にあるようですので、大きめのケースを用意するのが良いでしょう。
ちなみに私はコバエシャッターの大を使っていますが、最低限これくらいあれば大丈夫でしょう。
まとめ
いかがだったでしょうか。この記事を通して、ヘラクレオオカブトの産卵マットを選ぶ際に少しでも参考にしていただければ幸いです。
実は、ヘラクレオオカブトのマット選びは「成虫飼育用のマット」や「幼虫飼育用のマット」といった具合に、飼育フェーズによって異なります。
当サイトではそれぞれの飼育フェーズ合わせたマット選びの方法を解説していますので、これからヘラクレスオオカブトのブリードを始めるという方は以下の記事もご覧いただければと思います。